103 ルンダール出力トランスを用いたシングルアンプの製作






    1 アンプ製作のきっかけ
   
       たまたま中古のルンダール・LL2777Bと言うOPTを入手した。
   
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                        MT管のEL84は大きさ比較のため。
    
       そもそもルンダールにこんな小型のOPTがあることなど知らなかった。
       何でも エレキットTU8200/TU8200R 真空管アンプ用 載せ替えセットだそうである。       
       アムトランスのサイトでルンダールを見たら確かにこのトランスが掲載されていた。
       しかし価格を見たら高!!・・・絶対に新品は買わない?・・・いや買えない!
  
         入手後に手もちのアンプにルンダールOPTを仮り接続して聞いてみた。
         結果はもともとアンプに使っていた小型のOPとは異なる良音であった。
         このアンプに使用していたOPTとは大きさも構造も異なるので音が変わるのは
       当たり前かもしれないが、小型とはいえ良い音がするのはさすがルンダールである。
         こうしてこのルンダールのOPTを使用したアンプを作らねばとなった。

    2 アンプ製作

      (1) アンプ製作の構想

               以前にも書いたが当方は
           出力管フィリップスAD1にルンダールOPTを使用した        
             アンプが常用アンプであって、もう他に替えるつもりはない。
               これ以外にMT管を用いた小型のアンプが2台あるがこれらはお遊び用であって、
             これ以上アンプを増やさない事にしている(一応)。

             そこで2台ある小型アンプのどれかのOPTをルンダールOPTに交換できれ          
             ば簡単であるが残念ながらどちらも不可能であった。
               そんなことから既存のアンプのどれかを解体してルンダールOPT使用の
             アンプに改造するしかなくなった。
            シャーシの大きさなどを考慮すると解体に該当するアンプはごく最近完成した
            ばかりのA2134シングルアンプ だけであった。
          
               こうしてA2134シングルアンプは解体しルンダールOPTと一度使って          
            見たかったムラードEL84シングルアンプにすることにした。
               ついでに出力管はEL84以外にもEL34や6V6なども使えるようにソケットは    
            GT管用のオクタルソケットにしておくことにする。
          
               アンプは12AX7パラーEL84(三結orUL)という簡単な2段構成である。

       (2)主要部品とシャーシ

              OPT:ルンダールLL2777B
              PT: ゼネラルトランス・ PMC-100M
            CH: ラックス 4605
         
整流素子:SiC ショットキーバリアダイオード。 
           シャーシ  
                A2134アンプを解体したままではルンダールOPTが収まらない。
                シャーシは新たに穴開けする必要がある。
               そのために元のシャーシ上に厚さ1mmのアルミ板を重ねて穴開けをした。
                前のアンプの穴がそのまま残っているのでシャーシ裏側は悲惨な状態である。
              
                                    
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      (3)アンプ完成

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            (4)ハムノイズ退治

                完成後の試聴でごくわずかにハムノイズが出ている事がわかった。
                調べたところ初段からハムが発生していた。
             そこで初段のヒーターにバイアス電圧をかけてみたり直流点火にしてみたりしたが一向    
             にハムは取れない。
                そこで、下記の様な方法を試した。これでハムが取れなければ万事休すである。

             〈アースの取り方〉の変更

                当方が作ったアンプのアース点は電源部と入力端子部の2点アースで、ほとんどの
              アンプはこれでハムの発生がなかった。
                ところが今回は2点アース方式が通用しなかった。
              そこで、最後の手段としてアースの取り方を下記の様に変更した。

                       回路上にはアースに落とすところがたくさんある。
           そのアースに落とす所を決してまとめたりせずに一本ごとにアース線を           
           引き出して入力端子近くのアース点に落とすのである。
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                       ご覧のように入力近くのアース端子には10本以上のアース線が集まる。
                   10本以上のアース線をひとまとめにハンダ付けするのは大変なので
                   写真のようにアース端子を2個重ね2分割してそれぞれにアース線を数本ごと
              ハンダ付けした。
                    アース端子を3~4個重ねアース線を分割したほうが処理はもっと楽になろう。
                   ともかく、このお陰でハムノイズは消えた。
                   アンプの残留ノイズは0.1mVになりスピーカーに耳を付けても 
                 ノイズは皆無である(もちろん無帰還アンプである)。
                
                   このアースの配線方法は何十台もアンプを作り自分のブログに発表されていた方     
            の記事で知った。この方はこの方法で一度もハムが出たことは無かったそうで          
            ある。
                           
     (5)逆起電力防止回路の実験

                YOU TUBE でこの回路の効果を見て実験してみた。
                記事では左右のOPTのB端子にそれぞれ450V・220μFの電解コンデンサーと
             ダイオードが接続されている。
            
                ところが当方のアンプは左右アンプのOPTのB端子が共通である。
                そこで今回使用した部品は450V・390μFの電解コンデンサーとダイオードの     
             各1個で実験してみた。
            
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                結果は全体にすっきりとした音になる。特に少し膨らみ気味であいまいな低音が
             スリムになり低音の音階が明瞭になった。
            
                ただ当方のような90年前の8インチ程度のフルレンジではもともと低音があまり出ていない。
            逆起電力防止回路の使用はさらに低音の量感が減少し少し寂しくなる。
            いずれサブウーファー追加でも考えようかと思っている。
            
                 この回路は大型の装置の方が効果はより大きいのではなかろうか。
                また、コンデンサーの容量を変えたらどのような変化があるかなどもう少し                                                                           突き詰めていく必要があろう。
            

       さて肝心なこのアンプの音であるが、ルンダールOPTにムラードEL84使用である。
       悪いわけが無い!・・・とだけにしておこう。
            
                                       


                                                                                                                           おわり















102 パッシブプリ(赤外線リモコンボリュームコントロール付 )





    CDをリッピングしてUSBメモリにまとめた曲集などをよく聞いている。
    その時に少し困ったことがある。
    それはリッピングしたアルバムの録音レベルがたまに高かったり低かったりすることがある。
    そんな時はプリアンプのボリュームを調整するが、その都度プリアンプの所まで
    移動しなければならず面倒であった。
    (残念ながらプリアンプ類を手の届く位置に移動することはほぼ無理)

    そんな時amazonで下記の物が販売されていたので試しに購入してみた。
    赤外線を使ったリモコン式でモーターを使いボリュームを回転させるという物である。
    注文してから約10日ほどで隣国から届いた。

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                      1: 電源でDC9V~12V
                      2: 内容不明なコネクター
                      3: ボリュームの回転中を点滅して知らせるLED
                      4: 赤外線受光素子
                      5: ボリュームからのLR出力端子
                      6: ボリュームへのLR入力端子
             なお使われているボリュームは100kΩ・Bカーブである。

    早速電源とLRの入力端子と出力端子を接続してテストしてみた。         
       
    使用しているボリュームはBカーブであるがボリュームの回転速度が遅いので音量の変化は
    なめらかになり思いの外使い心地は良い。
    そんなことからきちんとケースに入れて作ってみようかと思っているとき、
    隣国のAliExpress サイト上に次の品が出品されているのを知った 。

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    使われている2連ボリュームは最初のセットの物よりは良さそう。
    ボリュームの抵抗値は5k、10k、20k、50k,100kΩの5種類で
    すべてAカーブである。
    モーターをコントロールする基盤はモーターの後面に配置されている。
    こちらの方がオーディオ向きのようである。

    いくつかの会社(お店?)が出品しているので購入者の評価が高く、
    更に購入者の良好なコメントが掲載されている会社を選び注文した。

    代金はPayPayが使えるので便利、品物を注文し支払いの時にPayPayを
    選択するとQRコードが示されるのでそれを読み取ると支払いは簡単に終了する。
    注文後に発送された品物が現在どこを移動中かが細かに表示されるので安心できる。
    約10日ほどで届いた。

    パイオニアの古いマイクミキサーアンプの小型ケースを利用してボリューム等を組み込んだ。
    また、メインアンプの入力感度が低かったりスピーカーの能率が低い時を考え出力部分に
    1:2.5の小型の昇圧トランスが選択できるようにしてある。
    (結果的にはプリアンプの次に接続して使うことになったのでトランスは不要であった)
     

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    完成後使用してみて

    DACからプリアンプを通さないで直接メインアンプに音楽信号を入れた場合、
    ワイドレンジで伸び伸びとした音がする。
    DACとメインアンプの間にこのパッシブプリを入れても音の違いは当方の駄耳では
    わからなかった。

    一方DACからプリアンプを通してメインアンプに接続すると音が少し変わってしまう。
    普通であれば音が変わってしまう事は決して良いことではないかもしれないが、
    今回プリアンプを使った音の方が長年聞いてきた耳慣れた音で当方の好みでもある。
    この傾向はプリとメインアンプの間にパッシブ・プリを入れてもあまり変わらない。

    そんなことから結局プリアンプとメインアンプの間にこのパッシブプリを入れて
    使用することになってしまった。
    リモコンで音量が調節できるので使用感はすこぶる良い。

    なお、電源電圧は最初9Vで使用していたがボリュームの回転速度がちょっとゆっくり
    なので現在は10.7Vにしている。回転速度が少し速くなって使いやすい。


 
                                    おわり








 

101 AD1シングルアンプの製作

    



    前回のコンパチブル・アンプ(当ブログ100 私的コンパチブル・アンプの終了)で
    いろいろな出力管の音を聞いた結果、気に入った出力管はフィリップスのAD1、
    OPTはルンダール製であると記した。
    そこでこれらの出力管とOPTを用いた一体型のアンプを製作することにした。

    1 部品類 ・前段:シーメンスC3g(三結)
             ・段間トランス:タンゴNC14
             ・出力管:フィリップスAD1
             ・出力トランス:ルンダールLL1620
             ・電源トランス:ゼネラルT PMC180M
             ・チョークコイル:ルンダールLL1685 
             ・整流管:テレフンケンAZ11(メッシュ)
             ・シャーシ:LEAD MK380

        回路は電源以外はコンパチブル・アンプと全く同じで信号回路には片チャンネルあたり
        4個のCR類だけ、電源回路も整流管を用いたシンプルな回路である。

    2 部品配置


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        上記のいずれの場合もシャーシはLEADのMK380に収まる。
        
             一番目の部品配置は出力管がDA30またはPX25のナス管などや300B
        あたりの銘球であれば出力管が前面で目立ち見栄えがする。
        実際にこのような部品配置のアンプ製作例は多い。
        一方フィリップスのAD1はあまり冴えない外観で寂しいしおまけにOPTは
        剥き出しである。
         しかしそこにボンネットをかぶせてしまえば見た目はあまり気にする必要はない。
              そうなれば2番目の部品配置は配線が最短になるのでこれがベストである。
        
     3 シャーシの製作
 
        部品配置に従って図面を描きこれをもとにシャーシを作る。


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    4 配線と完成

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        配線の写真の小さい赤丸はリップルフィルター用のトランジスター2SC3320
        大きめの赤丸はAD1のフィラメント点火用のDC-DCコンバーター
                                (ヤフオクで400円で購入)。
        このDC-DCコンバーターの使用は初めてなのであらかじめテストしてノイズ
        の出ないことを確認した。
        DC-DCコンバーターは半固定ボリュームで出力電圧を設定できるので
        便利である。
        電源トランスに6.3Vの端子があれば簡単に2.5V、4V.5V、などの
        ヒーター電圧が得られる。

        この2つのお陰で残留ノイズは0.2~0.3mVとなりスピーカーに耳を付けても      
        ノイズなしである。音楽が鳴り止むと静寂が訪れるのは気持ちが良い。
      
        しかし初め試聴した時はびっくりした。
        レンジが狭く何ともうるさい音が出てきたのである。
        コンパチブル・アンプで聞いた音とは全く異なる。
        3日ほど鳴らし続けたが音の傾向はほぼ変わらなかった。
        コンパチブル・アンプとの違いは電源とルンダールOPTの型番の
        違いくらいである。

        そこでまずコンパチブル・アンプで使ったOPTとの交換を真剣に検討し始めて
        いた時、整流管のAZ11が他に3本ほどあったので動作確認をしておこうと
        まずテレフンケンの板プレートのAZ11に交換してみたところ音がやたら
        暗めの音にガラッと変わった。
        そこでフィリップスの板プレートAZ11に交換したところレンジも広く中高音
        の明るい音に大変身、しかし少しうるさい感じがする。

        最後のテレフンケンのメッシュプレートのAZ11にしたところワイドレンジで
        全体のバランスも申し分なく中高音の綺麗なコンパチブル・アンプで出ていた音が
        得られた。驚きであった。メッシュプレート恐るべしである。
     
        整流管で音が変わることは知っていたがアンプを変えたかのような大きな音の変化を      
        するとは思わなかった。
        何はともあれこうしてアンプは完成した。
      
        音はワイドレンジで中高音が明るく輝きがあり聞き映えがする。
        いわばフィリップストーンか 。
        クラシックを楽しく聴かせてくれるし飽きがこない。
        長く付き合っていけそうである。

          (以上、テレフンケンの8インチ・センターダンパー・フィールドタイプ
           ・スピーカーでの試聴)


                 おわり



100  私的コンパチブル・アンプの終了





    最近自分の好みの音がする出力管とOPTを使ったアンプが完成したので、
    ここ数年使い続けてきたコンパチブル・アンプを止め解体し処分することにした。
    そこで改めてこのアンプについてまとめておくことにした。

    1 コンパチブル・アンプ

        右から真空管用電源装置、中央:アンプ部  左端:出力トランス


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   2 真空管用電源装置・・・製作記事は当ブログ65:(2017年10月22日)


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        高圧部・・・出力管用と前段用のB電源が2系統ある。
                   ・ 出力管用のB電源はスライダックを用いた可変式で最大400V、
                 電流は280mA位まで可能。(電流メーターが不調)
                   ・ 前段用B電源は300V・60mA固定、外部抵抗によって調節。

        低圧部・・・ヒーター用電源が3系統、すべてDC-DCコンバーターを使用した
              電圧可変式で2.5V~8.5V・2.5A が可能。

    3 アンプ部・・・製作記事は当ブログ71 ドイツ直熱三極管用・・・(2019年7月10日)
 
3

     回路は前段がシーメンスC3gの三結、段間トランスはタンゴNC14。
     前段から出力管までの信号回路には前段と出力管のバイアス抵抗と
     パスコンだけで片チャンネルあたりのC・R類は合計4個と言うシンプル回路である。

     出力管のバイアス抵抗としてOHMITEの25W・2.5kΩの
     巻線可変抵抗を用い目盛板に100Ωごとの目印が入れてあって出力管にほぼ最適な
     バイアス抵抗を得ている。
          またその時のバイアス電圧とプレート電流をメーターで確認できるようになっている。
                
     出力管のソケットはシャーシにUF5ピンのソケットを用いてしまい
     ソケット変換アダプターの製作が大変であった。
     ここはGT管用のオクタルソケットを用いた方が良かった。

    4 出力トランス・・・詳細は当ブログ98(2023年10月28日))

 
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     10種類ほどのOPTを使ったが当アンプ用として現在残っているのは写真にあるもの
     だけである。
                   タンゴ:XE60-3.5S    タムラ:F-2007C
                   ルンダール:LL1623/90mA    パートリッジ:TK2207
                  
     最後まで残ったOPTは大型のものばかりになった。周波数レンジの広さ、
     特に低域の伸びはやはりコアボリュームの大きいものが有利で中・小型のOPTの
     出る幕はなかった。
          特にルンダールはワイドレンジでありながら中高音の粒立ちの良さとなめらかさは他を
     圧倒している。
          最後まで残ったOPTのなかでこのルンダールだけが現行品であることはアンプ制作者に      
     とって幸いである。
          ファイメットやアモルファスやパーマロイなどの新素材によるOPTも聴いてみたが
     当方は古い人間なのか残念ながら受付けなかった。

    4 使用した出力管・・・・5極管はすべて三結で使用。

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            ① 上段   ・KLANGFILM: KI71403(RE604のナス管)
                             ・テレフンケン:RE604  ・VALVO:LK460
 
                         中段   ・フィリップス:AD1   ・テレフンケン:EBⅢ
                                 ・タングスラム:AD1   ・フィリップス:T.C.03/5 

                         下段   ・AL1  ・AL4   ・EL5  ・4688




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                  ② 上段 ・EL12  ・シーメンス E2d   ・シーメンス Da
                                ・シーメンス F2a   ・テレフンケン LS50

                       中段    ・WE300B ・VT52 ・RCA 2A3 ・RCA 245  

                      下段    ・KT66  ・EL37  ・EL34  ・6098  
                       ・5B255M   ・ムラードEL84 (WE350Bも在り) 

                   以上の他に KT88, EL156、 DA30、PX25、 STC4300B、
                   RCA171などもあったが少し好みの音とは異なったので処分。
      
       以上の出力管の中で当方の気に入った球はフィリップスのAD1であった。
       フィリップスAD1はごく普通のST管であまり見栄えしない外観であるがこの球が
       一番クラシックを楽しく聴かせてくれた。さすがクラシックの本場だけのことはある。

       市場ではテレフンケンのAD1の人気が高いが当方は未だ聴いたことがない。
       AD1の業務用と言われるテレフンケンのEBⅢを聴いたがまあ悪くはなかった。
       DA30やPX25なども同様でベストとは言えずまあ悪くはなかったである。
       しかしフィリップスAD1の方がクラシックを十分に楽しむ事ができこれで
       十分である。
しかも安価ときている。
       ここでも 高価=高音質 は必ずしも成り立たないと思っている。

       クラシックに限定すると当方の好みはフィリップスAD1が1番であるが、
       それ以外ではやはりWE300Bになろう。WE300Bは幅広いジャンルの音楽を
       楽しむには最適である。
       300Bは各社のものを聴いたが一度は本家のWE製の音を経験しておくべきであろう。
       更にはできれば年代の古いWE300Bの音なども。新と古の300Bの音は異なる。
       WE300Bは音も価格も奥が深い。 
       それに比べるとAD1などは赤子のようでかわいい物である。

            最後に、
            初めのうちは球やOPTを取り替えて音の変化を楽しんでいたが、そのうち自分の好みの音の
           する球とOPTが徐々に絞られていつしかいつも決まった組み合わせで聴くようになって
            しまった。
           このことから自分の好みの音のする球フィリップスAD1とルンダールのOPT一体型の
           アンプを製作することになり最近完成した。
           こうなるとコンパチブル・アンプのような大げさな装置は必要なくなったので解体することに
           したのである。

           しかしながらこのコンパチブル・アンプのお陰で好みの音のする出力管とOPTを見つける
     ことができたので記録しておくことにした。

                   
                                                おわり










きっかけはX線の発見から・・・蛇足! 

    


     

     原爆とか原発などはいつからどのようにしてはじまったのであろうか。
     その出発点を簡単に記してみたい。

     1800年代になると電気の実験が盛んになりモーターや発電機の原理などがイギリスの     
     ファラディーなどによって明らかにされていった。

     1895年にドイツの物理学者レントゲンは放電の実験をしていて近くにある蛍光板や
     写真乾板を感光させる未知の放射線=X線を発見した。
     これによって第1回のノーベル物理学賞を受賞している。
     だいぶ後になってこのX線は波長の短い電磁波であることがわかった。

     真空中で高電圧の-極から+極に向けて電子が飛び出す現象が放電である。
     この放電の時に高速になった電子が+極に衝突し電子が持っていた運動エネルギーを失う。   
     この電子の失った運動エネルギーが電磁波=X線になっていた。

     X線は 〈目に見えない未知の放射線が存在する〉 という大発見であった。
     もしかすると他にも未知の放射線を出している物があるかもしれないと考えるのは
     自然の成り行きである。

     フランスの物理学者 アンリ・ベクレルは蛍光物質の研究をしていた。
     ご存じのように蛍光物質は光を照射した後に自ら発光する物質である。
     そこでベクレルはもしかすると蛍光物質は発光するときに未知の放射線を出しているかも
     しれないと考えた。

     1896年 に研究対象であった蛍光物質の1つが放射線を出していることを発見した。
     その時に使用した蛍光物質がウランであった。
     ウランはこのときから現在まで善し悪しはともかく人類にとって重要な物質となった。

     ウランは以前より蛍光物質として知られていた。ウランに紫外線などを当てると非常に
     鮮やかな緑色に発光する。
     またラジウムは結構長期間にわたり蛍光物質として時計などの針や文字盤の
     数字などに塗られていた。だいぶ後に放射線障害が明らかになり使用は禁止された。

     1898年にフランスのキュリー夫人がウランより強い放射線を出していたラジウムを
     発見する。

     そして当時の物理学者はキュリー夫人からラジウムなどを分けてもらい放射線の研究を
     している。
     あるときベクレルはキュリー夫人から譲り受けたラジウムを胸のポケットに入れて
     持ち歩いていたところ胸の皮膚が火傷のような痕ができた事をキュリー夫人に報告した。
     キュリー夫人もラジウムを腕に乗せて実験して同じ現象が生じる事を確認したそうである。
     今でいうところの放射線障害で当時はウランやラジウムなどから出る放射線が人体に与える     
     影響などはわかっていなかった。
     結局ベクレルやキュリー夫人は長年にわたる放射性物質の取り扱いによって被爆し健康を
     害して亡くなった。

     同じ1898年、 イギリスの物理学者ラザフォードによりウランなどから出ている放射線   
     はX線とは異なるものであることがわかり後にα線、β線、γ線と名付けられその正体も
     明らかになった。
          またラザフォードは原子核の存在も証明した。
     これによって原子は中心に原子核がありその周りを電子が回っているという原子構造が明ら    
     かになった。

     こうして放射線は原子核から放出されること、また原子核から放射線が出ると原子核が
     他の原子核に変わってしまう(壊 変と言い、α壊 変とかβ壊 変と言う)ことがわかった。
     更に原子核にα線や中性子などをぶつけると原子核に吸収され自然界には存在しなかった
     他の原子核ができることもわかった。
     原子は未来永劫不変と思われていたことが覆ったのである。

     その後イタリアの物理学者エンリコ・フェルミはウランに中性子をぶつけると他の原子核が     
     できることを発見。
     フェルミはノーベル賞を受賞するが授賞式後会場から直行でアメリカに亡命する。
     その後マンハッタン計画に参加し世界初の原子炉を完成させた。

     フェルミの発見後、中性子をウランの原子核に衝突させる実験が繰り返された。
     1938年にウランに中性子をぶつけると2個の他の原子核に分かれること、
     すなわち核分裂が発見されて原子爆弾の開発につながっていった。

     こうして我々がお世話になっているレントゲン撮影であるが、それに使われているX線の
     発見がきっかけとなり50年後には原子爆弾の完成へと続くのである。
     戦時中ということもあり原子爆弾の完成は核分裂の発見からわずか7年後のことであった。


                                    おわり








0の暁(ゼロのあかつき)






         
    先日WOWOWでアメリカ映画「オッペンハイマー」が放映された。
    その映画を見て思いだし本棚を探して見つけたのが下の本である。

IMG_1220[1]


     
「0の暁(ゼロのあかつき)」
     
     左  角川文庫  昭和38年発行 
     右  創元文庫  昭和28年発行 


 
     この本は原子爆弾の開発=マンハッタン計画に参加した唯一のジャーナリストが
     その一部始終を記した本である。しかもいっさい小難しい数式などは用いていない。

     「0の暁(ゼロのあかつき)」とは人類史上初めて原子爆弾の爆発実験をした地点が
     砂漠内の0ポイントと呼ばれたことから来ている。

     1938年にドイツのオットーとシュトラスマンという二人の科学者がウランの原子核に
     中性子をぶつけるとほぼ同じ質量の2つの他の原子核に分かれる事=核分裂を発見した。

     当時アインシュタインの発表した理論からE=mc²という式が知られていた。
     Eはエネルギー、mは質量、cは光速で、この式はエネルギーと質量は同じ物=等価
     であるということを表している。
 
     では核分裂は何を意味するのか。

     核分裂前の最初の原子核=ウラン原子核の質量と分裂後の2つの原子核の質量の和は
     同じにはならず、分裂後の2つの原子核の質量の和が小さくなる,つまり分裂後に質量が
     減ってしまうのである(質量欠損と言う)。
     
       この核分裂で減少してしまった質量はどうなるのかと言うとこれがエネルギーになると    
     いうのである。
       しかもE=mc²からその時に放出されるエネルギーは膨大な量になる。
 
     核分裂によって得られるエネルギーを利用した兵器が開発されたなら
     人類史上最強の兵器になる。
     こんな事から  E=mc² と言う式は”悪魔の方程式”と呼ばれたりした。

     核分裂発見の翌年1939年にドイツ・ナチスがポーランドへ侵攻し第2次世界大戦が
     始まった。
     もしナチスが原子爆弾を開発したならという焦り・恐怖を感じた科学者たち
     (アインシュタインもその中の一人)の進言からアメリカで原子爆弾開発
     =マンハッタン計画が始まった。
     このときマンハッタン計画のリーダーとなったのが物理学者オッペンハイマーである。
     
     そのマンハッタン計画の全貌を記録した本が
「0の暁(ゼロのあかつき)」である。


     原爆に対する日本人の感情から考えればこの本は受け入れがたいかもしれないが、
     原爆だけでなく原子炉などについても非常にわかりやすく記述されており
     名著と思っている。



             おわり





    


99 A2134シングル・アンプの製作





   当ブログ96で行ったMT管の試聴で気に入った7ピン・MT管:A2134と
   サンスイのシングル用出力トランスHS5を用いたアンプを製作した。

   回路は「真空管A2134」で検索して前段に6AK5を用いた回路のコピー。
   今回も前段の6AK5の代わりに同等管のWE403Bを使用している。

   完成後の残留ノイズが0.6~0.7mVだったのでトランジスターを用いた
   リップルフィルターを追加し最終的には残留ノイズは0.3mVになった。
   このため能率の良いスピーカーでもほぼノイズのないアンプに仕上がった。

   出力段は三極管結合・UL・五極管結合の切り替えができるようにしてあり三通りの音の
   変化ができる。
   またこの切り替えの際にノイズが出るのを避けるための簡単なミューティング回路を
   追加したが、完成後の切り替えの際のノイズはごく小さいのでミューティング回路は
   省いても問題なさそうであった。

   1 主な使用部品
      
        真空管   : A2134   WE403B
           出力トランス: サンスイ・HS5
        電源トランス: ゼネラルトランス・PMC-130M
           チョークコイル: LUX4605
           整流素子  : SiC SBD(シリコンカーバイドSBD)
           シャーシー : ゼネラルトランス・ W:250, D:160mm
                            
   2 ミューティング回路は下記の簡単なものである。       
SP切り替えスイッチ_No2
   3 シャーシーの選定

        部品配置をしてみてシャーシーのおおよその大きさを決めシャーシーを選定。
        部品配置から図面を描きそれに基づいてシャーシーの穴開けを行う。

1


   4 完成

      (1)シャーシー上面

2

    (2)シャーシー裏面

7


      (3)三極管結合・UL・五極管結合の切り替え部分

4


    (4)外観・・前面と後面

5
6


   5 おおよその音

            ・ 三極管結合・・出力は1W弱

          NFBをOFF・・音の粒立ちが良く彫りの深い音で奥行き感もある。
                                    全体になめらかで落ち着いた音である。
                   長く聴いていても疲れない。
                     このアンプではこの時が当方の好みである。              

          NFBをON・・・周波数特性がワイドになるがその代わり
                   奥行き感がなく音場が平板になり躍動感が失われる。                 
                 

             ・UL接続・・・NFBはON・ワイドレンジで力強い音、ジャズやポップス向きか。
                     決して悪い音ではないが三結・無帰還の音と比べると
                     荒い感じがする。

              ・五極管結合・・出力は約3W強
                  NFBはON・ワイドレンジでバランスも良い。
                                UL接続以上に歯切れ良く力強い音になる。
                                ただ私的にはクラシックの場合にうるさく感じて落ち着かない。       
                           
   6 最後に

        過去に製作した五極管を用いたシングルアンプのほとんどは3極管結合で無帰還であった。
        今回はしばらくぶりに五極管結合で聴いてみたがやはり当方の好みではないことを
      再確認した。
   
      クラシックに限定すれば直熱三極管のシングルアンプか五極管を用いたアンプであれば      
      三極管結合で無帰還が当方の好みの音である。
   
      ただ、ジャズやポップスを聴く時は五極管結合の場合の方が周波数レンジが広くメリハリ    
      があって聞き映えがする。
    
      高価な直熱三極管に大型のOPTを用いた重量級アンプはほぼ良い音になろう。
        しかし、1本が1300円程度の7ピンのMT管でも結構良い音が楽しめる。
        ただし、OPTの選択は十分に吟味する必要がある。
      当方は三極管結合・無帰還の時に十分楽しめる音のする最小のOPTは今回使用の
      サンスイHS5であった。

       以上はすべて当方の主観による・・・・話し半分程度に!




                 おわり





  

       

98 OPT交換式の話





   


   1 はじめに

     前回にOPT交換式のテストを行ったが今回は改めてOPT交換式について記しておく。
     なお、当方の使用アンプはほとんどがシングルアンプ・無帰還なので当然以下の内容はすべて     
     シングルアンプ用のOPTについての話である。

     一般に真空管を使ったアンプにはOPTが使われる
          (OPTを使用しないOTLアンプもあるが)。
     更にはOPTは真空管を除いた部品の中では最も高価な部品になる場合が多い。
     またこのOPTが変わればアンプを替えたと同じ位に音が変化する事のある重要な部品
     である。

     アンプを製作すればそれに見合ったOPTを必ず組み込むことになる。
     アンプを3台作ればOPTも3組必要になる。
     しかし最近はOPTの価格が結構値上がりしている。
     特にタンゴやタムラの旧型のOPTになると大変高騰してしまった。
     アンプを作るごとに高価なOPTを組み込むことは経済的な負担が大きすぎる。

     そんなこともあって当方は原則としてアンプにはOPTを組み込まないで外付けに
     することにした。
     更には手持ちのOPTがどのアンプでも使えるようにした。OPT交換式である。

     これによって各アンプに最適(?)なOPTが選択できるようになり(OPTの
     一次側インピーダンスの最適値は無視!・・・といい加減ではある)、おまけに
     大型のOPTなどをアンプに組み込まなくて良いのでアンプ本体の重さが極めて
     軽くなる利点もある。

     欠点はアンプの外観がOPTがないことにより寂しくなる。つまり見栄えが良くない。
     当初はアンプを作るときは音質もさることながら見た目にも(他人の目も)留意したが、
     現在は自分自身の楽しみのためにアンプを作るのであって見栄えは気にしないことにした。

   2 所有しているOPT交換式の例・・・すべてシングルアンプ用

 
PA220013-1


   3 交換式OPTの内容

      (1) 使用シャーシ 

       大部分のシャーシーは TAKACHIのYMシリーズ でアルミ板の厚さは1mm。
       大型のOPTでは一部にゼネラルトランス製のアンプ用シャーシー(厚み2mm)
       を用いた。

       TAKACHIのシャーシーに重いOPTを取り付ける場合は次のように取っ手と
       OPTの取り付け部分に
厚さ1.5mmのアルミ製のアングルを補強材として用いた。
       これで強度は十分である。


PA220015-1
PA220015-2


   (2) 使用コード
           
          アンプとOPT間に使用のコードはVCTE・スーパーフレックス(4芯)を用いたが現在であれば
 
              倉茂電工VCT 222 【0.75sq】(600V)柔軟性
              協和ハーモネット:スリムロボットケーブル KRT AWG28 6芯 あたりか?

              芯線の数はできれば6芯で耐圧は500V以上のコードを用いたい。
                 各芯線の役割
                       芯線1:+B、  芯線2:SG(端子があれば)、 
                       芯線3:P(プレート)、芯線4:OPT2次の0, 
                       芯線5はNF用(16Ωなどから)、芯線6:予備
                   
             オヤイデ電機さんで親切に相談にのっていただき購入した。
          
             コードの長さは約60~70cm位で使用している。
          

      (3) コネクター類

              アンプ側には4Pのサトーパーツ製のコネクター(アンプ本体側はメス。
        コード側はオスを使用)を用いたが現在は廃番のようなので替わりの適当な          
        物を選択するしかない。
              当方がメインで使用しているアンプではアンプ側に4Pの
        キャノンコネクターを用いている。

             OPTの一次側には5Pのメタルコンセント(コード側にメス、
        OPT本体側にはオスを使用)を用いているが、

              前述のように6芯のコードを用いるときはすべて6P以上のコネクター類になる。
         
        アンプとOPT間の接続コードは1~2本あれば間に合うが、アンプ本体側        
        やOPT本体側に用いるコネクター類はその数だけ必要になるので入手の          
        しやすい物が良い。
            
PA220018
            


   (4) OPT2次側のインピーダンスの切り替え

       OPT2次側のインピーダンスは使用スピーカーが決まっていれば4Ωなり8Ωなどに固定し    
       ても良いが、見かけ上の1次インピーダンスを変化させるために2次側の
       インピーダンスをスイッチで選択できるようにしておいた方が便利である。
            
       4Ω・8Ω・16Ωのいずれかが選択できる場合は下記のスイッチを用いた。
                  NKKスイッチズ(日本開閉器)
                   基本レバー形トグルスイッチ S-2040
                配線は下記のようになる
            
            
SP切り替えスイッチ_000033

   
     4 簡単なOPT交換の体験を!

      シングルアンプがあれば(できれば三極管か三結アンプが良い)OPTの
      BとP端子に接続されている線を外し外部に線を延長して他のOPTの
      BとP端子に接続(半田付けかワニ口クリップで)する。
      誤配線やショートのないことを確認しOPTの2次側に
      スピーカーを接続して音を聞いてみる。(NFは無視)
      以上は自己責任で。
            

    5 最後に

      OPTを替えると当然音は変わるが、
       一方、OPTを特定の機種に固定して、球やコンデンサーなどの部品を変えたり、
       回路や電圧などを調整してより良い音のアンプに仕上げていくのも楽しいものである。

      したがって以上のOPT交換式は当方の楽しみ方であって、アンプに関する数ある
      楽しみ方の一例にすぎない。   
      楽しみ方は人それぞれなので、自分なりの好みで楽しむのが一番である。

    6 普通はあり得ない・・・といった例!。

      6BM8三結シングル・無帰還アンプにパートリッジの大型OPTを使ってみた。
      図らずも球もOPTも英国製となってしまった。


PA270004

      これが6BM8の音?・・・6BM8って本当は凄い球! ってなったかも。
      好みは各人各様、音もしかり、個人的にはこのOPTをちょっと外せなくなっている。

  さてこれが最後、
   
    新 忠篤 氏がある雑誌にOPT交換式のアイデアをアンプ製作記事の中で発表されていた。
    それを見てパクリ、上記のように適当に(いつものこと)拡大し楽しんだ次第である。


                                          以上 終わり



















    

97 A2134シングルアンプによる各種OPTの試聴





   1 はじめに

     どんなアンプでもOPTを替えれば音は変化する。
       しかし製作後にOPTを交換するのはOPTのサイズや時にはコストの制約などが
     あって困難である。
   
     こんなこともあって6BM8や6BQ5のようなMT出力管のシングルアンプの製作例を
     見るとほとんど小型のOPTが使われていて、大型のOPTに交換し使用してみたと
     いう話はあまり聞かない。
    
       そこで今回はOPT交換式の利点をいかしていろいろなOPTの音を聴いてみた。
    
   2 使用アンプと周波数特性の測定

     使用したアンプは前回MT出力管の試聴で気に入ったA2134シングルアンプ。     
     前段はWE403Aで出力管A2134は三極管結合で無帰還である。
       出力はせいぜい1W程度。
    
     周波数特性の測定には古めのiPadとアプリe-scope 3-in-1 を使用。
     (アプリe-scope 3-in-1 の使用法は当ブログ60を参照)  
  
 
P7310007
     
   3 試聴したOPT
          
P7310016

            下段・左から ①  春日 KA-54B57T 
                        ② タンゴ H-5S
                        ③ ラックス SS5B2.5 (見かけ上5kΩとして使用)
                        ④ サンスイ HS5

          上段・左から   ⑤ タンゴ XE-20S
                          ⑥ タムラ F-2007C

   4 試聴感想
   
        (1) 春日 KA-54B57T

1 春日KA-54B57T

                 周波数特性を見ると特に大きな問題はなさそうであるが実際に音を聞いてみると
           そうも言えない。
           中高域は良いが低域は出ない。
                 音場が狭く音が固まり・団子状である。
                 コアが小さいうえに無帰還なのでやむを得ないかも。
            ほとんどの使用例ではNFをかけている。
            基本的にはNFをかけることにより好結果が得られるのであろう。
                 春日・KA-3250も試聴してみたが同じ印象であった。
                 上記のOPTは小型出力管に良く使われるが無帰還では下記のOPT類とは結構
            大きな差がある。
            
         (2) タンゴ H-5S
 
2 タンゴ H-5S
    
                 春日に比べると明らかに1ランク以上の音である(高価なのであたりまえか!)。  
                 全体的に低域から高域にかけてバランスが良好で音は明るめである。
                 特に不満なく使用できそうであるが、あまり特徴のない音でラックスやサンスイの
             OPTを聴くと何となく物足りなさを感じる。
            
         (3) ラックス:SS5B2.5 
 
3 ラックスSS5B2.5
     
                 中高域は明るく伸びやか。特に高域は十分に伸びて繊細である。
                 それに対して低域は少し弱いのが残念。
                 バスブーストするなど一工夫したい。
                 しかし全体的には良い音で十分に楽しめるOPTである。

          (4) サンスイ・HS5

4 サンスイHS5


              聴感上は周波数特性の低域以上に低音の伸びと量が感じられる。
           高域は伸びてはいないがそれでも高域不足を感じるほどではない。
           今回の小型のOPTの中では重心が低く重厚な音がして最も楽しめた。
           ヤフオクではこのサンスイ・HS5はタンゴやラックスに比べ評価はやや低いが   
           もっと評価されて
良いのではないか。        

          (5) タンゴ・XE-20S

5 タンゴXE-20S

               明らかに上記の小型のOPTより1ランクも2ランクも上の音である。
          明るめの音で周波数のバランスも良く音場も広い。
          実に堂々として充実した音である。
                 こんな小さな出力管の出す音とは思えない。
                 アンプを見なければ大型管の音と思うであろう。
           
           (6) タムラ・F-2007C

6 タムラ F-2007C

           ノグチトランスの特注品で通常のFー2007のE I コアをカットコアに
           変更したOPT。
           低域から高域にかけてのバランスは申し分ない。
                 太めで派手さのない質実剛健と言った感じの音である。
                 いわばNHKの音といった方が良いかも。
                 小さなMT管とは思えぬスケールの大きい音がする
                 やはり小型OPT類とは一線を画す音である。
            
 
P8030003
          
                     タムラ:F-2007Cを使用中         

   5 最後に
    
     7ピンの小型のMT管で出力1W程度にもかかわらず大型のOPTにすると堂々たる音を
     奏でるなど、OPT交換式にすることによってA2134の潜在能力の高さを知ることが
     できた。
     また自分が満足できる小型のOPTは何かを知ることもできた。

     以上はA2134シングルアンプ・三極管結合、無帰還の場合でありアンプが変われば
     各OPTの音の印象は変わるであろう。
     また音の感想は主観的なので話し半分程度にしてご自分でご確認を。

     当方が気に入ったOPTはサンスイHS5で、このOPTを用いた小型のアンプを久々に
     作ってみようと思ってる。


            おわり


  

96 MT出力管 6BM8,6BQ5、A2134の簡易テスト。





   1 初めに

     中古のムラード・ECL82(6BM8)とEL84(6BQ5)を入手し、
     またヤフオクで A2134(CV4062)を購入していたのでこれらを
     試聴してみた。

P6110001-2

   
 


   2 各真空管の試聴

     ECL82とA2134は電源とOPTなしの部分だけの製作。
         電源は以前に製作した真空管用電源装置を用いた。

     EL84は昔作った出力管とOPTの交換可能なユニバーサルアンプで
     出力管にはソケット変換アダプターを使用。
        
         尚使用したアンプはすべて三極管結合で無帰還、OPTに山水・HS5を使用した時
     である。

     それぞれ使用しているアンプの回路などが違うので異なる真空管の音の比較
     などはあまり意味がない。
     しかし同種の球の比較は多少は参考になるかも。
    


    (1) ECL82(6BM8) 


P6110012-2
P6110013-2

PB040002



       ・ 回路は木村 哲 氏 (べるけ氏)の発表回路のコピー。
        出力部プレート電流はカソードにLM317Tを用いて定電流としている。

        ・ ナショナル製6BM8使用の時
      
         一聴して感じるのは周波数レンジは広く低域から高域にかけてのバランスが
         とても良いこと。
         また各楽器の音が明瞭であるが艶や潤いなどはなく大変に真面目な音である。           
         一般的にはこれで十分に楽しめる音であろう。
  
     ・  ムラードECL82

              周波数レンジはさほど広くは感じないがかと言って低音・高音に特に不満はない。
         何よりも各楽器の音に適度な太さがあり、さらに音に艶があり倍音の多い
         豊かな充実した音である。
         とにかく各楽器の音が生命力にあふれ音楽全体に躍動感がある。
              コンサートホールでの音を彷彿とさせてくれる楽しい音である。
         6BM8にはクラシックが楽しめる球もあるのかと改めて見直した。
          
                ヒーター電圧が16Vになるがポーランド製のPOLAM PCL82も
                安価ながら結構良い音であった。

    (2) EL84(6BQ5)

P6110009-2

PB040001


                  
       前段は12AX7パラのごく普通のCR結合回路であるが現用機は前段にムラードの
       E180CCを用いている。
        
        ・ ナショナル製 6BQ5

             ナショナルの6BM8と同じでレンジは広く低域から高域までのバランスも良い。
         また各楽器の音が大変明瞭であるが多少バイオリンなどの音がきつくうるさく
         感じることがある。
            全体的に生真面目な音で大きな不満も出ないであろう。

        ・ムラード EL84

        ムラードECL82と同じで中域の充実した鳴りっぷりの良い音であるがこち        
          らの方が各楽器の音の分離が良く明瞭であり多少力強い感じがする。
            そして何よりも倍音が多いのか豊かな音で艶もあり音場の広さを感じさせる。
            ともかく音を聞いているだけで楽しくなる。

    (3) A2134(CV4062)
          
P6110010-2
2

PB040005

              

         回路はA2134で検索し前段に6AK5を用いている回路のコピー。
       試聴に用いたアンプでは前段の6AK5を同等管のWE403Aに交換。
       出力管より前段の方が高価となってしまったが結果はベストであった。

       ・ 音はムラードのようにたっぷりとした鳴り方ではないが、その代わりに一音一音に      
       適度な太さがありくっきりとして躍動感がある
       上記のムラード製と同様に音を聞いているだけで大変楽しめる音であった。

      初段のWE403Aにシールドケースは必要ない。
      IERC製のシールドケースを使ってみたかっただけである。   
      
   3 最後に

             国産であれムラード製であれ音楽を聴くには不都合な球はない。
             しかし国産とムラード製には歴然とした違いがあるのは事実。

       国産(と言ってもナショナル製だけであったが)は何も足さない引かない、ワイドレンジ    
       で忠実に信号を音に替えているようで生真面目な音楽を聴かせてくれる。
       一方のムラードは周波数レンジは国産より狭めであるが出てくる音にはゆとりとか
       艶やかさがありホールでの音楽鑑賞を彷彿とさせる楽しさがある。
       
       もし常日頃聴く音楽がジャズかポップスだけであるなら、
       ワイドレンジでメリハリのある音のする国産の球が好まれるであろう。
       一方聴くジャンルがクラシックに限られるなら味がなく素っ気ない国産の球より
       多少ナローレンジぎみではあるが豊かで艶やかな音のするムラード製が合いそう。            
             
            以上の簡単な試聴ではあったがムラード製のECL82やEL84が高価な理由が
       わかったし一聴の価値はあると思う。

        以上から本来はムラード製の球をベストにしたいが高価で入手難なため
            当方のベストは 前段にWE403Aを用いた A2134とした。           
         価格が安価(1本1200円程度)で7ピンの何とも頼りない球で
         あるが音は予想を大きく裏切ってくれた。大変楽しめる球である。
               次点はポーランド製POLAM PCL82かな・・・・安価だし。

    なお、今回の試聴に用いたOPTはすべて古い山水のHS5で、これはいくつかのOPTを
    比較試聴して選択したものである。
    これについてはいずれ改めて記すこととしたい。 


               おわり








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